リオンとクリンは
険しい岩山の奥にあるパタゴニア族の村に向かっていました。
リオン「この道を過ぎれば村が見えてくるぞ」
クリン「リオン、疲れたよ、休もう」
そう言うとリオンはいきなり身を伏せた。
クリン「何だ、リオンも疲れてるじゃん!」 リオン「違う!クリン、伏せろ!」
その時――
いきなり大きなワシが上空から襲ってきた!
クリン「うわっ危ない!」
クリンはギリギリで身をかわした。
ワシ「運のいいやつめ」 ワシは遥か上空へ飛んで行った。
リオン「クリン、大丈夫か?」
クリン「だ、大丈夫…でも怖いから急いで村に向かおう」
パタゴニア族の村についたリオンとクリンは
渓谷での出来事を早速話した。
村長「ここに来る旅人はあそこでよく怪我をする。物を盗られる者もいる。 なので最近は物資が届かないのじゃ」
リオン「それはほっておけない」
リオンとクリンは旅人のフリをして再びその渓谷へ向かった。 すると早速ワシが襲いかかってきた。
リオン「くるぞ!」
ワシが急降下してきた。
リオンはうまく身を交わした。
ワシ「ちっ、次は外さねーぜ」
ビューン―― ワシは天に昇るやいなや旋回し、再び急降下を始めた。 今度はクリンを狙っている。
リオン「クリン!」 クリン「うわーっ!」
シュー‼️ クリンの右腕が鋭い爪でかすめられた。
リオン「クリン!」
そして初めてワシが地上に降り立った。
ワシ「俺の名はヘンリー。この渓谷を守るものだ。命が欲しければ食べ物を置いて立ち去るんだ」
リオン「何故人々を襲う?」
ヘンリー「俺は闘いでしか会話をしない。さあ、最終決戦だ」
ヘンリーはまた上空高く飛んで行った。 一声雄叫びをあげると旋回し急降下を始めた!
リオン「……」
まさにリオンに襲いかかるその瞬間―― ヘンリーの動きが止まった!
ヘンリー「なっ、何⁉️」
ヘンリーは頑丈に幾重にも重なった
蜘蛛の巣に動きを止められていた。
リオン「ありがとう、蜘蛛の精霊」
「さらに追加だ!スパイダーネット!」

動けなくなったヘンリーは覚悟した。
「さぁ殺すがいい」

その時 リオンはかすかな声を聞き取った。
スパイダーネットを外すと木の実を分け与えた。
ヘンリー「俺を殺さないのか」
リオン「早く子供のところへ帰るんだ」
その時、ヘンリーは一瞬だけ、 遠くを見渡すように鋭い目を細めた。 風の彼方に何かを感じ取るかのように――。
リオンは悟っていた。 崖の上で鳴いている雛の声。 ヘンリーは必死で子供を守っていたことを。

ヘンリーは空高く旋回しながら舞い上がった。
クリン「あのまま返してよかったのかい?」
リオン「ヘンリーは初めて殺し合いのない闘いをした。そして敗北を知った。それだけで充分さ」
村へ戻り、ことの経緯を話した。

リオンとクリンは村人と協力し橋を作って、その渓谷を通らない道を作った。

この出来事は、パタゴニア族の間に 「自然の声に耳を澄ませ」という教えとして語り継がれるようになった。